米中チキンレース 2013 12 1
2013年12月1日の日本経済新聞Web刊には、このようなニュースがありました。
防衛相「米国も日本と同じスタンス」 民間機の防空圏対応
小野寺防衛相は1日のNHK番組で、
中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏での民間機を巡る、
アメリカ政府の対応について「日本と同じスタンスをとっていると思う」と述べた。
アメリカ政府は、航空会社には、
事前に中国に飛行計画を提出するよう事実上促している。
(引用、以上)
まだ、日本政府は、わかっていないのか。
アメリカと中国が、チキンレースをすれば、
当然、アメリカは、降りるのです。
昨年来、しつこいほど、
「日本は、自分の国は自分で守れ」と言っている意味が、
まだ、わかっていないのか。
私は、昨年末、
「アメリカのバーゲンセールが始まる」と書きました。
この意味は、オバマ政権は、
基本的に、「事なかれ主義」で、
難局に当たれば、アメリカは逃げるという意味で書いたのです。
これに対して、反論があるかもしれません。
アメリカは、中国の防空識別圏へB52爆撃機を飛ばしたのではないかと。
しかし、これは、国務省と国防総省の違いです。
国務省は、昔からリベラルで、宥和外交が得意でした。
国防総省の考えは、説明するまでもないでしょう。
しかしながら、アメリカでは、
総じて国務省の考え方の方が、大勢を占めているでしょう。
もうアメリカは戦えないのです。
やがて「逃げるが勝ち」というアメリカの姿勢が鮮明になってくるでしょう。
「アメリカの厭戦気分 2013 3 17」という文章を読んでください。
それでも、アメリカに頼りますか。
アメリカを頼っていて、何もしなければ、国が滅びます。
東南アジアでは、この現実に気づいた国があるというのに、
日本は、そして日本人は、相変わらず、平和ボケですか。
アメリカの厭戦気分 2013 3 17
アメリカ軍の士気は高いが、
アメリカ社会の士気は低いと言えるでしょう。
8年も続いたイラク戦争、
アフガニスタン戦争に至っては、
10年以上経った今でも続いています。
この二つの戦争が、
アメリカ社会に深刻な影響を与えています。
つまり、厭戦気分が広がっているのです。
戦争による死者は、
公式発表よりも、かなり多いと言えます。
統計は、定義の仕方によって、数字が大きく変わります。
知人や友人、親戚、
あるいは近所で、戦死者の話を聞けば、
誰だって、厭戦気分になるでしょう。
イラク戦争では、州兵まで動員されたのです。
陸軍兵士ならば、最前線の戦場も覚悟していたでしょうが、
州兵は、まさかイラクという戦場に派遣されるとは思っていなかったでしょう。
ウィキペディアによれば、
州兵の不在が、結果として、
アメリカ国内での災害の発生・拡大に深く影響を与えることも、
2005年のハリケーン・カトリーナによって明らかとなったとあります。
二つの戦争が、アメリカ社会に与えた傷は大きく、
いまだに、その傷は癒えないと言えるでしょう。
最近、日本では、日米同盟の強化ということが聞かれますが、
これは、アメリカの軍事力を当てにしているということでしょう。
しかし、アメリカ社会は深く傷ついているのです。
それでも、日本は、アメリカを頼りにするのですか。
自分の国は自分で守るのが、世界の常識です。
ましてや、日本は、世界第3位の経済大国です。
その上、世界最大の債権大国です。
このような超大国が、安全保障をアメリカに依存するのは、異常です。
日本の常識は、世界の非常識と言えるでしょう。